留学中は「とにかく笑顔!つらい時はもっと笑顔!」
I.T.くん (渡航時 16歳)
私たちがI.T.君と出会ったのは、東京オフィスで初めてのカウンセリングに来て下さった時のこと。ご両親に連れられてやってきたI.T.君は、まだ子供らしさが残るシャイで無口な男の子でした。
あっという間の1年間の留学をほぼ終えた今、1年間の留学を振り返り語ってくれました。
(写真: 到着直後の現地オリエンテーションにてスタッフと)
留学で初めに苦労したこと
授業も宿題もとにかくパソコン
ワードとパワーポイントを少ししかやったことが無かったので、応用みたいなの事ができなかったから、とても苦労した。日本でも少しはパソコンは触ったことがあったので、パソコンを使うから練習しておくようにエージェントさんに言われてもピンと来ていなくて、実際に現地に行ってからパソコンの授業も履修していたけれど、その授業内容も先生に聞かないとわからくてとてもつらかった。ファイルを開いたり閉じたり、保存したり、そこからすでに詳しくわかっていなくて、携帯から写真をパソコンに送る事も初めはわからなくて相当時間がかかった。課題を自分で作らなければいけない時とかは、ワードでグラフを入れたり図を入れたりしなけれ
ばならない事も多いため、特に一番初めに大変だったのがパソコンの操作や機能でした。日本から持って行ったパソコンは日本語なのでやり方はわかりやすいけれど、学校で使うパソコンは英語だし、自分のパソコンで先
生に聞いても日本語に表示されているパソコンのエラーなどはわからない、と言われてしまう。わからないことを質問しても帰ってくる言葉も英語なのでそれがまた理解できないこともあって、とても苦労しました。
日本ではワイエー留学に英文の練習のためにライティングを書いてメールを送る、という事を練習を事前にしていたので、メール送信くらいはできたのですが、難しいワード(Word)やパワーポイント(Power Point)の機能などは一切わからなかったので、それも一緒に練習しておけばよかったと思っています。
日本とは全然違う学校の勉強と課題
日本の学校でテスト以外が一切なかったので、アサイメント(課題)というもの自体が理解できなかった。テストだけの日本では、今まで勉強してきてそれに関する試験を受ければいいだけだけど、オーストラリアでは試験と同じくらいかそれ以上にアサイメント(課題)としてエッセイやレポートなどがある。これは何が正しいというものではなく、自分が調べ上げたことをまとめてレポートにしたり、自分の意見をまとめたりする長文を書くものなので、まったくやった事ないものでした。
サイエンス(理科)の授業での課題が、「ボールを地面に落とした時の跳ね返りに関するレポート」を作成しなければいけなくて、実験結果をまとめたり意見をまとめてから、ワードにもちろん文章をパソコンで打って、それにグラフを入れたり、写真も入れたりしなければいけないもので、わからないことだらけでとても大変でした。
歴史では、「原住民のアボリジニ民族に対する白豪主義について」の課題で、事実を調べた上で自分の考えをまとめる課題でした。そもそも課題のトピックもとても難しいし、尚且つこれらの課題は通常A4サイズの紙で6~8枚くらいの量を書く必要があります。
英語の授業でグレートバリアリーフの環境問題について勉強した時に、問題点を3つ挙げてレポートを書いた上で、プレゼンテーションも行う課題だったのですが、2週間で作らなくてはいけない事がありました。問題点を3つ挙げるのですが、地球温暖化、ごみ問題の2つがすぐに出てきたのですが、もう一つが何にすればよいか意見もアイデアも出ず、とても時間がかかりました。
そういう時はいつも授業の先生にアドバイスをもらいに行ったり、インターナショナルの留学生担当の先生にアドバイスをもらいに行きました。留学生担当の先生はいつも大体部屋にいてくれるので、会いに行けばいつも話せるのが良かったです。
宿題は日本よりは少ないと思うし、暗記系の勉強はほとんどなかったので、その分はかなり楽だったのですが、反対に日本ではテストだけで、レポートやエッセイなどの長文で出す課題などは一切なかったため、自分の考え自体が思い浮かばないことも多く、それをまた英語で長文を書かなければならないことに本当に苦労しました。
留学に来たばかりの時にビックリした事
移民や留学生の多さ
僕の学校は全体の見た目だけで言えば、50%は白人ではないため、アジア人や中東、アフリカ系、インド系など、さまざまな人種が混ざっていることに驚きました。学生同士の間でもその会話も一般的に行われていて、オーストラリア人ではないという事にも違和感がないような日常でした。それにより自分も溶け込みやすかった部分はあるかもしれません。おかげですごくたくさんの国籍やバックグラウンドを持つ友達ができました。
気候の良さ
夏の暑さも全然日本に比べたら大したことが無くて、乾燥しているせいか夏でも日陰で過ごしていれば涼しくてすごく過ごしやすいことにびっくりしました。日本では毎日部活をやっていたので、そのころに比べれば体を動かせないのも留学中の困ることの一つなのですが、友達ができてからは雨ではない日は友達と外で遊べる日が多くなるので、大体の場合はサッカーしています。また雨が降っていなければホームステイ先から学校まで、少し距離があっても歩いて運動したりもできるので、雨が少ないとそれもうれしいです。
留学中に気を付けている事/努力している事
なるべく自分の部屋にいないようにする
部屋にいることはとても落ち着くし、休めるととてもいい場所なのですが、それでは留学の意味がないと思い、なるべく自分の部屋にはいないように気を付けています。
家に帰ってきたら、部屋で30分くらい少し休んだらリビングにって自分のランチボックスを洗って、ホストブラザーたちと一緒にお菓子を食べてから一緒にトランポリンしたり庭で遊んでいます。遊んでいると夕方になるので、一度部屋に戻ってご飯までシャワーを浴びたりして、7時ごろに夕食になります。そこからはテレビかネットフリックスをホストファミリーと一緒に見て、それが終わったら9時頃になるので、各部屋に戻ってホストブラザーたちは寝て、自分は勉強をして11時ごろ寝ています。
小さい子がたくさんいる家庭だったので、意味もなく名前を子供たちが呼ぶこともあって、勉強を中断されることもたくさんあるけれど、子供たちと遊ぶことも勉強だと思うので勉強は寝静まった後とかになるべくするようして、うまく時間を使うようにしました。
とにかくいつも笑顔でいること
一番簡単で楽なことかもしれませんが、常に意識しているようにします。初めの方はニコニコしていたら、いろんな人が話しかけてくれてとても良かったと思います。そのおかげですぐにたくさんの友達ができました。またつまらない時や辛い時でも気を付けて笑顔でいるようにしています。
できるだけなんでも参加する
人に誘われたら、必ず参加するようにしています。みんなででシティいこう、と言われたり、週末ビーチに行こう、と言われても、あまり仲良くない子だしな、とか、疲れてるしな、と思っても行けば楽しかったり、行ってよかったことの方が多いので、面倒くさくても、大変でも必ず行くようにしています。
一番行って楽しかったことは、学校のチームメンバー募集のメールが来ていて、自分より上の学年の人が多いし知っている人もだれもいない中、誰かに誘われたわけでもないのですが、自分からやってみようと思ってクラブメンバーの募集に立候補しました。実際にやって本当にとても良かったです。いまはその中でも選抜チームに選ばれて、大会にも出る予定です。なんでも参加するようにしている事で、いろいろな友達もできるしスポーツを通して他の人との交流は絶対にいいと思います。
留学してよかったなと思う事
留学で出会った友達や人間関係
世界中の友達ができた事が一番良かったと思います。フィリピン、オーストラリア、中国、カナダ、ケニア、イギリス、インド、タイ、マレーシア、アラブ、韓国、台湾、ニュージーランド、ラウルなど、本当にたくさんの国からの友達ができました。
フィリピンのこの前の地震などがあった時も、友達は大丈夫かなと思ったり、ラウルの友達がいればラウルの国について少し調べたり、国の歴史などを少し知ったりする機会が増えて、世界中の友達がその国のことを知る機会を作ってくれたように思います。
英語がうまくなった事
ホストに話しかけられたときに、以前はドキドキしたり、何を聞きたいんだろう(汗)、とドギマギしてしまう事ことなどがありましたが、今は何を聞かれてもそれがわからない事でもドギマギしたりはしません。How are you? ときかれてもGoodくらいしか返事していなかったけど、今は今日は学校でどんなことした、放課後どこに行ったなどを話して会話を続けることができるようになりました。たくさんお友達に出会えて、たくさん会話をするようにしていたおかげもあって、英語での会話にとても自信がつきました。
また、日本で覚えようとしていた単語の種類はテストとか英語の試験のためにつかう単語がほとんどで、実際話すときにつかう単語は全然違うものが多くて初めはとても苦労しました。留学で新しく覚えた言い回しがとても多くあり、それを使いこなせるようになってきてスラスラと出てくるようになったのが、英語が成長したと思える瞬間で、とてもうれしく思います。
留学前の自分と変わった所はどんなところですか?
携帯のゲームをしなくなった
以前は部活か携帯のゲームをする時間がほとんどだったのですが、留学中は一切やらなくなりました。意図的にやめようと少し思ったのもありますが、勉強や友達との交流に忙しくなったのもあり自然とやらなくなりました。
将来を考えるようになった
日本にいたときは、大学付属高校だったのでそのまま進むのかな…と漠然と思ってい特に深くも考えていなかったけど、今はこの1年留学をそのまま伸ばしたい、と思ったことをきっかけに、そのあとどうなりたいのか、何を勉強したいのか、などとてもいろいろ考えるようになりました。両親とも話し合う時間を持てたことも良かったですし、今は具体的に高校卒業後の大学進学についてをワイエー留学に聞きながら、それを目指すための勉強や準備についても相談しています。
ワイエー留学から見た I.T.君
初めの印象とは大きく異なり、現地に到着後は人懐っこく常に笑顔の印象でした。何事にもポジティブなので頑張っているね、とお話ししても「ただ自分はラッキーだったんだ」というだけでした。でも詳しく話を聞いてみると、実際には言わないけれど、困った事や大変な事、嫌だった事など多々あったように思います。嫌な事、嬉しくない事も、なるべくポジティブに考えて常に笑顔でいる努力をしているようでした。彼の前向きな考え方と、何事にも面倒くさがらずに挑戦する気持ちが、周りのお友達や環境を引き寄せたのだと思います。
1年留学は卒業留学に比べて期間も短く友達になれる人数も少ないといわれる中、I.T.君は本当にたくさんのお友達を増やし、何か困ったことがあっても日本語に頼ることなく、まずは自分で解決できるように頑張っていました。困ったことが無い留学なんて留学ではないと私たちは思います。困った事大変な事があるから英語も伸びるものだと思っています。私たちは職業柄、なんでもお世話したくなってしまうのですが、I.T.君のように困ったことや大変な事も英語も本人をも成長させる必要不可欠な事なのだと、とても深く感じました。
I.T.君の留学からは私たち大人が勉強になる事もいろいろと教えてもらえました。今後のI.T.君の活躍をオーストラリアから常に応援し続けています。